マナー研究所長3月は別れの季節ですね。お世話になった上司や同僚の「退職」が決まり、贈り物の準備に焦っていませんか?



そうなんです! 定年退職される部長に「ハンカチ」を贈ろうとしたら、先輩に「それはマナー違反だよ!」と止められてしまって…。良かれと思ったのに、何がダメなんでしょうか?
退職祝いは、これまでの感謝を伝える最後の大切な場面です。 しかし、実はギフトの中でも「最もタブー(禁止事項)が多い」のがこの退職祝い。知らずに贈ると、「最後に失礼なやつだったな」と相手を不快にさせてしまう危険性があります。
この記事では、ギフトマナー研究所が「絶対に失敗しない退職祝いのルール」と、男女別に「心から喜ばれる鉄板ギフト」を解説します。
まずは、恥をかかないための「結論」です。
- ハンカチ(手切れ)、日本茶(お葬式)、現金(目上には失礼)は絶対NG。
- 「御礼」とするのが一番無難で間違いがない。
- 個人なら3,000円〜5,000円。連名なら1人1,000円程度で豪華なものを。
【重要】知らずに贈ると危険!退職祝いの「タブー」
まずは品物を選ぶ前に、「贈ってはいけないものリスト」を確認しましょう。これらを除外するだけで、ギフト選びの失敗は9割防げます。
ハンカチ(手切れ)、日本茶(弔事)、クシ(苦・死)はNG
以下の3つは、語呂合わせや慣習から「縁起が悪い」とされています。
- ハンカチ: 漢字で「手巾(てぎれ)」と書くため、「縁を切る(手切れ)」を連想させます。贈るなら「ハンドタオル」などが無難です。
- 日本茶(緑茶): 香典返しなど「弔事(お葬式)」に使われることが多いため、お祝いには不向きです。お茶を贈るなら「紅茶」や「コーヒー」を選びましょう。
- クシ: 「苦(く)・死(し)」を連想させるためNGです。
目上の人に「現金」や「靴下・靴(踏みつける)」は失礼
上司や先輩など、目上の方に対して「現金」を渡すのは、「生活の足しにしてください」という意味(=上から目線)になり失礼にあたります。 また、「靴下・靴・スリッパ」なども、「あなたを足で踏みつける」という意味になるため避けましょう。
のしの表書きは「御礼」が一番無難(「祝」だと寂しく感じる人もいるため)
退職理由は「定年」や「寿退社」といったおめでたいものばかりではありません。中には家庭の事情や、本意ではない異動の場合もあります。 事情が詳しく分からない場合は、「祝・御退職」とするよりも、これまでの感謝を込めた「御礼」とするのが最も配慮の行き届いた大人のマナーです。
【相手別】失礼にならない金額相場の目安
高すぎるものは相手にお返しの気を使わせ、安すぎるものは感謝が伝わりません。関係性に合った適正価格を知っておきましょう。
上司・先輩へ(5,000円〜1万円)
5,000円〜1万円 特にお世話になった方への相場です。
同僚・後輩へ(3,000円〜5,000円)
3,000円〜5,000円 相手が恐縮しない程度の金額で。
連名(部署一同)で贈る場合(1人あたり500円〜1,000円)
1人あたり500円〜1,000円 人数を集めて、1万円〜3万円程度の豪華な花束や家電を贈ると喜ばれます。
【男性へ】定年退職・転職で喜ばれるギフト
男性への退職祝いは、「次のステージ(趣味や新生活)」で使えるものか、「形に残る記念品」が人気です。
お酒好きなら「名入れグラス・タンブラー」
お酒を嗜む方には、自分専用の**「名入れタンブラー」や「江戸切子のグラス」**が鉄板です。 特にステンレス製のタンブラーは、保温・保冷に優れており、自宅での晩酌はもちろん、転職先のオフィスでも使ってもらえます。「お疲れ様でした」の刻印を入れるのも素敵ですね。
趣味を楽しむ「体験型カタログギフト」(ゴルフや温泉など)
「物は増やしたくない」という男性には、モノではなく「体験」を贈るのが今のトレンドです。 日帰り温泉やゴルフ、高級レストランでの食事などが選べる「体験型カタログギフト」なら、定年後のゆっくりした時間を奥様と楽しんでもらえます。
【女性へ】心と体を癒やす「ご自愛」ギフト
女性への退職祝いのキーワードは「癒やし」です。今まで仕事を頑張ってきた心と体をいたわるアイテムを選びましょう。
枯れないお花「プリザーブドフラワー・ソープフラワー」
退職祝いの定番は花束ですが、生花は持ち帰るのが大変で、すぐに枯れてしまいます。 おすすめは、手入れ不要で数年間美しさを保つ「プリザーブドフラワー」や、石鹸で作られた香りの良い「ソープフラワー」。ボックスに入ったタイプなら、持ち運びも軽く、そのまま部屋に飾れます。
高級入浴剤やハンドクリームのセット(Aesopなどが人気)
自分では買わないけれど、もらうと嬉しい「ちょっと良い消耗品」も人気です。 例えば、「Aesop(イソップ)」のハンドクリームや、「BARTH(バース)」などの高級入浴剤。 「ゆっくりお風呂に浸かって疲れを癒やしてくださいね」というメッセージと共に渡せば、あなたの優しさが伝わります。
渡すタイミングとメッセージ
送別会、または最終出社日の数日前(荷物にならないよう配慮)
退職する最終出社日は、荷物の整理や挨拶回りでバタバタしており、持ち帰る荷物も多くなります。 できれば送別会の席か、最終日の数日前に渡すのがスマートです。どうしても最終日になる場合は、持ち帰りやすい軽いもの(カタログギフトなど)にするか、「後日配送しました」と伝えるのが上級テクニックです。
感謝を伝えるメッセージ文例集
- 定年退職の上司へ: 「長きにわたりご指導いただき、ありがとうございました。〇〇部長の今後のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。」
- 転職する先輩へ: 「今まで本当にお世話になりました。新天地でのさらなるご活躍を心より応援しております!」
退職祝いは、別れの寂しさよりも「新たな門出を応援する」ポジティブな贈り物です。
マナーやタブーを守ることは大切ですが、何より大切なのは「今までありがとうございました」という感謝の気持ち。 最後は笑顔で送り出せるよう、素敵なギフトを選んでくださいね。











コメント