マナー研究所長ご出産、まことにおめでとうございます。 新しい家族が増えた喜び、周りの方にもお伝えしたいですよね。でも、内祝いの準備でこんな不安を感じていませんか?



「赤ちゃんの写真が入ったギフトを作りたいけど、ネットで『迷惑』『捨てにくい』って見てしまって…。やっぱり写真なしの方がいいんでしょうか?」
結論から申しますと、「写真入り」が迷惑になるかどうかは、相手との距離感で決まります。
百貨店の贈答品売場におりました私、花村の経験から申し上げますと、贈り物は「相手の時間を奪わないこと」が鉄則です。 写真入りのグッズは、相手によっては「捨てられないし、飾れないし、どうしよう…」と、処分の時間を奪ってしまうことがあるんですね。
今日は、写真入りギフトで失敗しないための「3つの境界線(ゾーニング)」と、誰にでも喜ばれる「写真の添え方」について、私の失敗談も交えてご案内します。
なぜ「写真入り」は迷惑と言われるのか?
そもそも、なぜ愛らしい赤ちゃんの写真が「迷惑」と言われてしまうのでしょうか。 結論から申しますと、「使い道がない」かつ「捨てづらい」の2点が重なった時、それはギフトではなく「困りもの」に変わります。
【実録】私が「捨てられない地獄」に落ちた話
所長などと名乗っておりますが、まだ勉強中でして…。 実は昔、親戚から「赤ちゃんの写真が大きくプリントされた飾り皿」をいただき、正直置き場に困ったことがあります。
飾るには家のインテリアと合わない。でも、親戚の赤ちゃんの顔が印刷されたものをゴミ箱に捨てるなんて、罪悪感があってできません。 結果、押入れの奥にしまい込むことになりました。
内祝いで一番避けたいのは、「受け手の家の中に永住する物」です。 相手の暮らし方によっては、写真入りの「物」は負担になる。この視点を持つことが、最初のマナーですね。
失敗しない「3つの境界線(ゾーニング)」
では、写真は一切ダメなのかというと、そうではありません。 以前、あるお客様に提案してうまくいった「相手別に3段階で分ける方法」をご紹介します。
1. 両親・祖父母(写真入りグッズOK)
ご両親や祖父母にとって、孫は目に入れても痛くない存在です。 この層には、写真入りの時計やフォトフレーム、体重米などは「最高の内祝い」になります。 ここでは遠慮せず、思いっきり親バカを発揮しても喜ばれることが多いですね。
2. 親戚・親友(写真カード+消えもの)
次に、叔父叔母や、特に親しい友人です。 ここが難しいところなのですが、同じ親戚でも「写真はスマホで見れば十分」「物は残したくない」という方は多いです。
ここでは、品物は「お菓子やカタログギフト(消えもの)」にし、そこに「写真入りのメッセージカード」を添えるのが正解です。 これなら、写真は楽しめますし、品物は食べてなくなります。お互いに負担がありません。
3. 職場・知人(写真は控えるのが無難)
最後に、職場や知人関係です。 結論から申しますと、ここは写真は控えるか、希望者にだけ見せるのが無難でしょう。
以前、部署全員に「写真入りのクッキー缶」を配ろうとされた方がいました。 私は差し支えなければと前置きして、別の方法を勧めました。 職場は「広く浅い関係」の集まりです。机の上に他人の赤ちゃんの写真が載った缶があると、気まずさを感じる方もいますし、不妊治療中の方などへの配慮も必要かもしれません。
職場では、個包装のシンプルな焼き菓子を選び、写真は「見たい」と言ってくれた仲の良い同僚にだけ、スマホやカードで見せるのがスマートですね。
最も安全な正解は「写真入りメッセージカード」
ここまでお話しして、「いちいち分けるのは大変…」と思われたかもしれません。 そんな方に、私が百貨店時代に行き着いた「究極の落としどころ」をご提案します。
主役は「品物」、写真は「添え物」にする
それは、「品物は実用品(タオルやお菓子)を選び、写真はメッセージカードとして同封する」という方法です。
悩んでいたあるお母さまに、この方法を提案し、さらに一言添えるアドバイスをしました。 「カードは、よろしければお手元で処分くださいね」
言いにくいようでいて、これは受け手にとっての「救い」になります。 「捨てていいの?」という心の負担が消えるからです。
結果、「写真、嬉しかったよ。カードならアルバムにしまえるし助かる」と喜ばれたそうです。 贈り物は、相手を立てる。 「写真は小さく、薄く、保管しやすく」。これが、現代の最も丁寧な写真マナーかもしれませんね。
- 祖父母以外には、写真入りの「物(グッズ)」は避けるのが安全。
- 職場では写真は控えめに、個包装の「消えもの」を。
- 迷ったら「写真入りメッセージカード」を活用する。
今日は「写真入り内祝い」の境界線についてお話ししました。
最近のギフト専門サイトでは、スマホの写真を使って「おしゃれな写真入りカード」を無料で作れるサービスが充実しています。 これなら、品物は相手の好きなカタログギフトやお菓子を選びつつ、赤ちゃんの顔見せも叶います。
迷ったら実用。そして、相手の「捨てやすさ」まで配慮する。 それが、赤ちゃんとあなたの株を上げる、いちばん賢い内祝いの選び方かと思います。







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