マナー研究所長いよいよ年末年始。ご実家への帰省シーズンがやってきましたね。楽しみな反面、特に「義理の実家」への訪問は緊張するものです。



そうなんです! 何を持っていくのが正解なのか、いつ渡せばいいのか…。何か失礼があって「常識がない嫁」だと思われたらどうしようって、今から胃が痛いです…。
結婚して初めてのお正月を迎える方はもちろん、ベテランの方でも、義実家への手土産選びは毎年頭を悩ませる難問です。
しかし、心配はいりません。 「訪問時の作法」と「鉄板の手土産」さえ押さえておけば、あなたの評価は「気の利く素敵なお嫁さん(お婿さん)」へと変わります。
この記事では、ギフトマナー研究所が厳選した「絶対に外さない帰省手土産の正解」を伝授します。
まずは、忙しい年末のための「結論」から。
- 相場: 2,000円〜3,000円(高すぎないのがマナー)
- のし: 1月7日までは「お年賀」(紅白蝶結び)
- 品物: 和菓子なら「とらや」、洋菓子なら「ヨックモック」が最強。
玄関を開ける前に確認!「訪問のマナー」基本のキ
手土産を渡す前に、まずは「玄関での振る舞い」が第一関門です。意外と見落としがちなポイントを確認しましょう。
到着時間は「約束の時間〜+5分」がベスト(早着はNG)
ビジネスでは「5分前行動」が基本ですが、個人の家への訪問では「早すぎる到着」はマナー違反です。 相手はまだ掃除や化粧などの準備中かもしれません。約束の時間ぴったりか、2〜3分過ぎてからインターホンを押すのが心遣いです。
素足は厳禁!靴下かストッキング着用がマナー
「親しき仲にも礼儀あり」です。冬場でも、人様の家に素足(裸足)で上がるのは厳禁です。 女性はストッキングやタイツ、男性は靴下を必ず着用しましょう。汚れが気になる場合は、玄関先で履き替えるための「替えの靴下」を持参すると完璧です。
コートは玄関の外で脱ぐのが常識
コートやマフラーなどの防寒具は、「玄関のドアを開ける前(外)」に脱ぐのが日本のマナーです。 「外の埃を家の中に持ち込まない」という意味があります。脱いだコートは裏返しに畳んで腕にかけてから、インターホンを鳴らしましょう。
「お年賀」と「手土産」どう違う?のしのルール
お正月の手土産には、「のし紙」を掛けるのが丁寧です。時期によって表書きが変わるので注意が必要です。
1月7日(松の内)までは「お年賀」
元旦から1月7日(地域によっては15日)までの「松の内」と呼ばれる期間に訪問する場合は、のしの表書きを「御年賀(お年賀)」にします。
「お年賀」はお祝い事なので、相手や自分が「喪中」の場合は使いません。その場合はのしを掛けずに「手土産」として渡すか、表書きを「寒中見舞い」とします。
それ以降は「寒中見舞い」または「御挨拶」
松の内を過ぎてから訪問する場合は、「寒中見舞い」または単に「御挨拶」とします。
水引は「紅白蝶結び」
水引は、何度あっても嬉しい「紅白の蝶結び」を選びます。名入れには、夫婦で訪問する場合は「苗字のみ」または「夫のフルネーム(左側に妻の名前)」を書くのが一般的です。
いくらが正解?相手に気を使わせない金額相場
基本は「2,000円〜3,000円」
「高いものを渡せば喜ばれる」というのは間違いです。あまりに高価なもの(5,000円以上など)を渡すと、義父母に「若いのにお金を使わせて悪いわね」と心配をかけてしまいます。
気を使わせず、かつ失礼にならない金額の目安は2,000円〜3,000円です。
滞在日数が多い場合は少し上乗せ、または別途お酒などを
実家に数日間泊まる場合は、お世話になる感謝を込めて、少し予算を上げるか、手土産とは別に「皆様で飲んでください」とお酒やジュースなどを持参すると喜ばれます。
【義父母が喜ぶ】絶対に外さない手土産ランキング
「これを持って行けば、間違いなく株が上がる」。そんな信頼と実績のある鉄板ギフトを3つ厳選しました。 年末年始はデパートも混雑しますので、ネットで購入して自宅に配送しておくのがスマートです。
【和菓子】高齢の方にも安心「とらや」の羊羹
日本で最も知名度と格式がある和菓子といえば、室町時代創業の「とらや」です。 特に小型羊羹(ようかん)の詰め合わせは、日持ちが非常に長く(製造から1年)、常温で保存でき、個包装で食べやすいという、「手土産の完全無欠な優等生」です。 義父母世代でこの黒い箱を見て喜ばない人はいません。
【洋菓子】日持ちと華やかさ「ヨックモック」のシガール
洋菓子派のご家庭なら、「ヨックモック」のシガールで決まりです。 バターの豊かな香りとサクサクの食感は、子供からお年寄りまで大人気。軽いので持ち運びも楽で、個包装の数も多いので、親戚が集まる集まりでも全員に行き渡ります。 「デパートの味」として抜群の知名度を誇る安心ブランドです。
【お酒好きへ】晩酌が盛り上がる「高級おつまみ・珍味」
お酒を嗜む義父への手土産なら、甘いものよりも「高級おつまみ」が刺さります。 普段の晩酌では買わないような、老舗の佃煮や、高級缶詰、少し良いカラスミなどを選んでみましょう。「お義父さんと一緒に飲みたくて」と渡せば、会話も弾み距離がグッと縮まります。
渡すタイミングと言葉選び
せっかく良い品物を選んでも、渡し方を間違えると台無しです。スマートな渡し方をシミュレーションしておきましょう。
部屋に通されて、挨拶が済んでから袋から出して渡す
玄関先でいきなり渡すのはNGです(※生ものや花束など、すぐに冷蔵・処置が必要なものは除く)。 部屋に通され、きちんとお正月の挨拶が済んで一息ついたタイミングで渡します。
渡すときは、紙袋から品物を出し、相手から見て文字が読める向き(正面)にして両手で差し出します。 (※紙袋は持ち帰るのが基本ですが、「紙袋のまま失礼します」と一言添えれば渡しても構いません)
NGワード:「つまらないものですが」
よく聞く「つまらないものですが」という言葉は、実はあまり良くありません。「つまらないものを渡すのか?」と受け取られる可能性があるためです。
OKワード:「心ばかりですが」「お好きだと伺ったので」
ポジティブな言葉を添えましょう。
- 「心ばかりですが、お口に合えば嬉しいです」
- 「お義父さんが羊羹がお好きだと伺ったので、とらやを選んでみました」
このように一言添えるだけで、あなたの「想い」が伝わります。
帰省の手土産は、単なる「モノ」のやり取りではなく、「今年もよろしくお願いします」という心を伝えるコミュニケーションツールです。
マナーは大切ですが、一番大切なのは「元気な顔を見せること」。 とらやの羊羹やヨックモックのお菓子を囲んで、温かいお正月をお過ごしください。







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