赤ちゃんが生まれて幸せな反面、お返しの準備は大変ですよね。「いつ?いくら?どうやって?」という疑問を、この記事ひとつで全て解決します。
マナー研究所長赤ちゃんのご誕生、おめでとうございます! 喜びもひとしおですが、産後は体調が戻らない中、お祝いのお返しの手配などやることが山積みで大変ですよね。



ありがとうございます!でも、いつまでに返せばいいのか、金額はいくらが正解なのか、マナーが難しくて焦っています…。
出産内祝いは、地域ごとの慣習などもあり「正解」が見えにくいもの。しかし、基本的なマナーさえ押さえておけば、相手に失礼になることはありません。
この記事では、初めてのパパ・ママが迷いがちな出産内祝いのルールを、ギフトのプロが分かりやすく解説します。
まず、忙しいあなたのための「結論」はこちらです。
- 贈る時期: 生後1ヶ月(お宮参りの頃)
- 金額相場: いただいたお祝いの「半額〜3分の1」
- のし紙: 紅白蝶結び・赤ちゃんの名前(ふりがな)
いつ贈る?出産内祝いの「時期・タイミング」
出産内祝いを贈るタイミングは、早すぎても遅すぎてもいけません。一般的な目安を見ていきましょう。
基本は「生後1ヶ月」のお宮参りの頃
基本的には、赤ちゃんの生後1ヶ月頃(お宮参りの時期)に贈るのが一般的です。
産後すぐにお祝いをいただいた場合でも、即座にお返しをする必要はありません。生後1ヶ月頃にまとめて手配するのがスムーズです。 ただし、生後1ヶ月を過ぎてからいただいたお祝いに関しては、その都度、受け取ってから2〜3週間以内を目安にお返しをしましょう。
- 遅くとも「生後2ヶ月以内」には贈り終えるようにしましょう。
遅れてしまった場合の対処法
産後の体調不良や、慣れない育児の忙しさで手配が遅れてしまうことは珍しくありません。
もし2ヶ月を過ぎてしまった場合は、気づいた段階ですぐに手配します。その際、品物に「お礼状(メッセージカード)」を添えて、遅くなったお詫びの一言を書き添えれば、相手に不快感を与えることはありません。
※半年以上過ぎてしまった場合 あまりに時間が経ってしまった場合は、「内祝」という名目ではなく「御礼」として贈るケースもあります。
喪中の相手に贈る場合
相手、または自分側が喪中の場合は、四十九日(忌明け)が過ぎてから贈るのがマナーです。 急ぐ必要はありませんので、相手の気持ちに寄り添い、少し時期をずらして落ち着いてから手配しましょう。
いくら返す?「金額の相場」のルール
内祝いで最も悩むのが「金額」です。地域によって差はありますが、全国的な共通ルールを押さえておきましょう。
基本は「半返し(半額)」
いただいたお祝い金や品物の金額に対し、「半額(50%)」をお返しするのが基本ルールです。これを「半返し」と呼びます。
5,000円のお祝いをいただいた場合 → 2,500円の品物でお返し
1万円のお祝いをいただいた場合 → 5,000円の品物でお返し
高額なお祝い(両親・親族)は「3分の1」でOK
両親や親しい親族、目上の方から、数万円〜10万円を超えるような高額なお祝いをいただくことがあります。 これは「これからの生活の支援」という意味合いが含まれているため、きっちり「半返し」をしてしまうと、かえって「他人行儀だ」「支援を拒否された」と受け取られる可能性があります。
高額なお祝いの場合は、ご厚意に甘えて「3分の1程度」、あるいはそれより少ない金額でも問題ありません。
現金の場合はその額面。品物の場合はネットなどで定価を調べます。
「友人・同僚」なら半額。「両親・親族・上司」なら3分の1を目安にします。
例えば、親族から3万円いただいた場合、1万円(3分の1)〜1万5千円(半額)のカタログギフトなどを選びます。
恥をかかない「のし紙(熨斗)」の書き方
出産内祝いは、赤ちゃんの名前をお披露目する大切なご挨拶です。のしの書き間違いは失礼にあたるため、しっかり確認しましょう。
水引は「紅白の蝶結び」
何度あっても嬉しいお祝いだから「結び直せる」蝶結び。
水引(みずひき)は、必ず「紅白の蝶結び(花結び)」を選びます。 蝶結びは何度でも解いて結び直せることから、「何度あっても嬉しいお祝いごと(出産・入学など)」に使われます。
- 結婚祝いで使う「結び切り(一度きり)」は出産内祝いではNGです!間違えやすいので注意してください。
表書きと名入れのルール
上段は「内祝」または「出産内祝」。下段は「赤ちゃんの名前(ふりがな必須)」。
- 表書き(上段): 「内祝」または「出産内祝」と記載します。
- 名入れ(下段): 赤ちゃんの名前(下のお名前のみ)を書きます。苗字は入れません。
※ふりがなは必須! 最近は読めないお名前も増えています。相手に名前を覚えてもらうためにも、必ず「ふりがな」を振りましょう。
「内のし」と「外のし」どっち?
配送なら汚れないように「内のし」。控えめな意味合いもあるので内祝いは「内のし」が主流。
- 内のし: 品物に直接のしを掛け、その上から包装紙で包む方法。
- 外のし: 包装紙の上からのしを掛ける方法。
出産内祝いは「自分たちの喜びをお裾分けする」という控えめな意味合いがあるため、「内のし」が好まれます。また、配送で贈る場合、のしが破れないようにするためにも「内のし」が主流です。
何を贈る?失敗しない品物選びのコツ
相手に喜ばれる品物選びのポイントは、「自分では買わないけれど、もらうと嬉しいちょっと良いもの」を選ぶことです。
定番は「消えもの(お菓子・タオル)」
形に残る雑貨などは好みが分かれるため、食べてなくなるお菓子や、いくつあっても困らないタオル、洗剤などの消耗品(消えもの)が定番です。 有名ブランドの焼き菓子や、今治タオルなどが特に人気です。
迷ったら「カタログギフト」が最強
相手が好きなものを選べるので満足度が高い。「相手の好みがわからない」「金額が半端で品物が選べない」という場合は、カタログギフトがおすすめです。 相手が好きなものを選べるため満足度が高く、最近の出産内祝いでは最も選ばれているギフトです。
【注意】避けるべきタブーな品物
緑茶(弔事用)、刃物(縁を切る)、靴下(踏みつける)などは避ける。
目上の方へ贈る場合、以下の品物は避けたほうが無難です。
- 日本茶(緑茶): 弔事(香典返し)に使われることが多いため。
- 刃物(包丁・ハサミ): 「縁を切る」ことを連想させるため。
- 靴下・スリッパ: 「足で踏みつける」という意味になるため。
【Q&A】よくある質問
- お返しがいらないと言われたのですが?
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両親や親しい親族から「お返しはなしで、赤ちゃんのことに使いなさい」と言われることがあります。その場合は、ご厚意に甘えても問題ありません。 ただし、何もしないのは気が引ける場合、お礼状と一緒に赤ちゃんの写真を贈ったり、後日食事会に招待するなどして感謝を伝えると丁寧です。
- 双子の場合はのしをどう書く?
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双子の赤ちゃんの場合は、のしの下段に二人の名前を連名で書きます。右側に兄・姉、左側に弟・妹の名前を書くのが一般的です。もちろん、二人ともふりがなを忘れずに。
出産内祝いは、いただいたお祝いへの感謝を伝えるとともに、「新しい家族をよろしくお願いします」という最初のご挨拶でもあります。
時期や金額のマナーは大切ですが、何よりも大切なのは「ありがとう」の気持ちです。 無理のない範囲で準備を進め、素敵な内祝いを贈ってくださいね。






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