マナー研究所長ご出産、おめでとうございます。 お祝いをいただいた後、誰もがぶつかる壁が「いくら返せばいいの?」というお金の悩みですよね。



ネットで見ると「半返し(半額)」って書いてあるけど、上司から3万円もいただいたのに、きっちり半分返すのも気が引けて…。かといって少なくしたらケチだと思われる?
結論から申しますと、内祝いの相場は「相手との関係性」で変わります。 教科書通りに「誰でもきっちり半返し」をすると、逆に失礼にあたるケースがあるのです。
百貨店の贈答品売場におりました私、花村の経験から申し上げますと、内祝いは「数学(計算)」ではなく「人間関係の調整」です。 今日は、現場で実際に起きたトラブルや成功例を元に、「半返し」「3分の1」「連名」の正しい使い分けをご案内します。
基本は「半返し」だが、目上には「3分の1」が正解
まず、基本ルールをおさらいしましょう。 一般的には「いただいた金額の半額(半返し)〜3分の1」が目安です。
しかし、ここで多くの人が「目上の方(上司や親戚)にも半返しすべきか?」で悩みます。
【実録】きっちり半返しで上司を怒らせた話
以前、あるご夫婦が「上司から3万円いただいたので、きっちり1万5千円の品を返したい」と相談に来られました。 私は「お相手との関係性」を伺い、少し心配しましたが、ご夫婦の意志で半返しを選ばれました。
数日後、奥様が曇った表情で再来店されました。 なんと上司の方から、こう言われたそうです。 「律儀なのは分かるけど、俺の顔を立てる気はないのか。半分返されたら、こっちが“貸しを作った”みたいで気分が悪い」
これは、目上の方ほど「金銭的なお返し」より「敬意」を見ているという典型例です。 「きっちり同額感」を出してしまうと、「あなたとは対等です(借りを作りたくない)」という対等宣言に見えてしまうことがあるんですね。
「3分の1」で甘えるのが“立てる”ということ
では、どうすれば良かったのでしょうか。 正解は、「金額は3分の1〜4割に落とし、言葉で甘える」ことです。
私がよく提案していた“甘え方の型”はこうです。 「本来はきちんと…と思ったのですが、今回は〇〇様のお気持ちに甘えさせていただき、その代わり家族で楽しめるものを選びました」
これなら、「半返しできない言い訳」ではなく、「あなたの厚意を受け取らせてください」という敬意になります。 目上の方には、金額ではなく「立て方」で返す。これが現場の鉄則です。
【連名】1人500円…どう返す?送料負けしない方法
次に多い悩みが、会社の部署や友人グループからの「連名」のお祝いです。 「10名で5,000円(1人500円)」といった場合、個別に配送すると送料だけで赤字になってしまいます。
「1人ずつ」より「場」に返す
結論から申しますと、連名は「個別配送」で戦ってはいけません。*以下の2つの方法がスマートです。
- 職場“まとめ置き”方式
- 大箱の個包装菓子(フィナンシェやクッキー)を1つ選び、会社宛に一括で送る(または持参)。
- メッセージカードに「皆さまで召し上がってください」と添える。
- これで「1人あたりの不公平感」も消え、送料も1回分で済みます。
- 代表者に一任方式
- 遠方の友人グループなどの場合、代表者の自宅にまとめて送り、「みんなで分けてね」と託す。
- 代表者にだけ少し丁寧なお礼状を添えれば完璧です。
細かい疑問を一刀両断!「送料」「両親」はどうする?
最後に、計算していてモヤモヤする細かいポイントにお答えします。
Q1. 送料は相場に含める?
A. 原則は「別枠」です。品物の格を落とさないで。
「送料込みで半返し」にこだわると、品物が極端に小さくなり、開けた瞬間に「えっ、これだけ?」と思われてしまいます。 百貨店ではこう説明していました。 「送料は相手のための負担というより、こちらの手配の都合です。ですから、品物の格が相場を満たしていれば、礼は立ちます」
迷ったら「品物代」で相場(半額〜3分の1)を守り、送料は必要経費と割り切るのが一番誠実です。
Q2. 両親(実親・義親)にも相場はある?
A. 「ルール」より「家の文化」優先です。
ご両親からの高額なお祝いは、「援助」の意味合いが強いです。 これにきっちり半返しをすると、「他人のようなことして!」と寂しがられることが多いですね。
- 基本: お礼の食事会を開く、赤ちゃんのアルバムを贈るなど、「体験」で返す。
- 注意点: 「義実家だけ丁寧に返して、実家はナシ」といった不均衡はトラブルの元です。ご夫婦で話し合い、両家でバランスを取るのが無難でしょう。
- 目上には「半返し」より「3分の1」で立てる。
- 連名は「個包装」でまとめて返し、送料負けを防ぐ。
- 送料は「別枠」と考え、品物の格を落とさない。
今日は「出産内祝いの相場」について、現場のリアルな声をお届けしました。
正解は一つではありませんが、相場とは「相手との関係を心地よく続けるための潤滑油」です。 計算機を叩く前に、「この金額なら、相手はどう感じるかな?」と想像してみる。 それが、一番失敗しない相場の決め方かと思います。










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